ヘッジファンドとは何なのか?元銀行員がわかりやすく簡単に解説!

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最近、ヘッジファンドってよく聞くけど何なの?

ヘッジファンドに興味があって、わかりやすくまとめられているサイトを探している。

ヘッジファンドとは何かを簡単に説明してほしい!

そんな思いから、こちらの記事に辿り着いたのではないでしょうか?

「ヘッジファンド」という言葉は、ニュースや新聞でも時折取り上げられ、多くの人が一度は耳にしたことがあるかもしれません。

しかし、ヘッジファンドが具体的に何を指し、そして一般の個人投資家がどのように参加できるのかは、ほとんどの人にとって未知の領域かもしれません。

その背後には、ほとんどのヘッジファンドが一般大衆を対象としない「私募」という形態を取り、ファンドの詳細情報を一般には非公開にしている事情があります。

この記事では、投資初心者でも理解しやすく、ヘッジファンドとは何かを簡潔に説明します。

ヘッジファンドとは、わかりやすくいうと何?

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ヘッジファンドとは、あらゆる投資手法を駆使し、どんな市場環境でも利益を追求することを主要な目的とするファンドです。

「絶対」という言葉は、必ずしも利益が出ることを示すものではなく、比較対象のない状況(絶対)で収益を最大化しようとすることを指します。

これに対して、一般的な投資信託や相対収益型ファンドは、特定の指標(例:株価指数)を基準にして、その指標を上回る収益を目標としています。

ヘッジファンドの「ヘッジ」は文字通り「避ける」という意味で、高いリターンを追求しながらもリスクを最小限に抑えることを重視しています。

要するに、ヘッジファンドと一般の投資信託との大まかな違いは、以下の表の通りです。

比較項目ヘッジファンド投資信託
投資方針市場に関係なく利益を追求市場と連動した利益となる
最低投資額1,000万円~1億円
※国内では100万円も存在
1円
募集方法私募公募
顧客層富裕層・機関投資家
※最近では一般の個人投資家も増加
一般の個人投資家
手数料成功報酬信託報酬

たとえば、株式に投資している場合、一般的には市場が上昇すれば利益が出り、市場が下降すれば損失を被ります。

しかし、ヘッジファンドは異なります。彼らは積極的にショートポジションやレバレッジを活用し、市場が下落している場合でも利益を追求します。

また、ヘッジファンドは通常、成功報酬型の手数料を採用しており、ファンドのパフォーマンスが利益に直結するため、運用に対するモチベーションが高いとされています。

一方、投資信託は一般の個人投資家向けに公募されており、幅広い人々が利用しています。しかし、多くのヘッジファンドは富裕層や金融機関などの機関投資家を対象にした私募ファンドとして設立されています。

ただし、近年では一般の個人投資家向けにもヘッジファンドが提供されるようになり、アクセスが容易になりつつあります。

投資信託は公募されるため、目論見書や有価証券報告書などの情報開示が義務付けられていますが、ヘッジファンドは私募の性質を持っており、同様の情報開示が必要ありません。

そのため、ヘッジファンドは比較的に厳しい規制を受けず、柔軟な運用戦略を展開できるメリットがあります。その結果、中程度のリスクを取りながら高いリターンを追求できる可能性があるのです。

ヘッジファンドのメリット・デメリット

ヘッジファンドには当然ながら、メリットとデメリットが存在します。

このセクションでは、他の投資にも当てはまらない、ヘッジファンド独特の利点と欠点について詳しく説明します。

ヘッジファンドのメリット

メリット

  • 期待されるリターンが非常に高い
  • 市場に関係なく利益を追求できる
  • リターンとリスクのバランスが良い
  • 投資後に手間がかからない
  • 多くは手数料が成功報酬

期待されるリターンが非常に高い

一般的に、ヘッジファンドの目標リターンは年間15%以上と非常に高いものです。これは、通常の投資信託であるインデックスファンドやアクティブファンドと比較して、非常に期待されるリターン率です。

さらに、優れたヘッジファンドは年間40%から60%といったハイパフォーマンスを何年も継続することがあります。

市場に関係なく利益を追求できる

ヘッジファンドは、どんな市場環境でも目標のリターンを達成しなければ評価されません。通常の相対収益型の投資信託のように、「市場が下落したからリターンが低かった」といった言い訳は許されません。

ヘッジファンドは、株式や債券だけでなく、先物取引や信用取引など、あらゆる投資手法を組み合わせて利益を追求します。そのため、市場が下落相場であっても、目標のリターンを下回れば低評価となります。したがって、どのような市場環境でも目標のリターンを達成することを目指して運用されています。

実際に、コロナショックのような市場の下落局面でも、優れたヘッジファンドはさまざまな戦略を駆使して、市場の下落を逆手にとり収益を上げています。

リターンとリスクのバランスが良い

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リターンが高くてもリスクが高すぎると、貴重な資産を失う可能性があります。私の経験から、一般的な資産運用先のリスクとリターンの関係をイメージ化した図をご覧いただきますが、ヘッジファンドは非常にバランスが取れています。

実際、ヘッジファンドは大規模な資金を運用し、さまざまな投資戦略を駆使するため、個人投資よりもはるかにリスクをヘッジできます。ヘッジファンドは通常の投資信託に比べて運用ルールに縛られず、柔軟に運用できるため、リスクを軽減できる金融商品と言えるでしょう。

実際の調査によれば、1993年から2010年までの期間において、ヘッジファンドのボラティリティはS&P500に比べて3分の1ほど低かったという結果もあります。

投資後に手間がかからない

ヘッジファンドは、資産運用のプロに運用を委任できる点が魅力です。

ヘッジファンドへの投資後、個人投資家は自分で運用に時間を費やす必要がありません。代わりに、ヘッジファンドのファンドマネージャーが投資家の資産を運用し、増加させてくれます。

詳細は後述しますが、ヘッジファンドのファンドマネージャーは一般的な投資信託のファンドマネージャーよりも高い能力を持っていることが一般的です。そのため、知識や時間が不足している個人投資家でも、ハイスペックなファンドマネージャーに資産運用を任せることができます。

多くは手数料が成功報酬

ほとんどのヘッジファンドは、成功報酬を手数料として採用しています。この方式により、ヘッジファンドの成績が良くなければ、ファンド自体も利益を上げることができないため、ファンドマネージャーたちは運用に全力を注ぎます。このため、投資家とヘッジファンドとの関係は「Win-Win」の形です。

成功報酬の一般的な割合は、運用利益の20%がヘッジファンドの手数料として差し引かれる契約が多いです。初めて聞く方は、「そんなに高い手数料が必要なの?」と驚かれるかもしれませんが、具体例を見てみましょう。

例えば、リターンが3%の場合、信託報酬が0.5%の投資信託と、リターンが15%で成功報酬が20%のヘッジファンドを比較してみましょう。投資家目線ではどちらが有利なのか考えてみましょう。

投資信託の場合、信託報酬は運用資産に対して0.5%が差し引かれ、利益は2.5%になります。一方、ヘッジファンドの成功報酬は運用利益に対して20%が差し引かれ、利益は12%となります。

最終的に投資家の手元に残る資産を考えると、ヘッジファンドの方が利益が多くなります。このように、成功報酬方式は、ヘッジファンドのファンドマネージャーにとっても、投資家にとっても魅力的な選択肢と言えます。

ヘッジファンドのデメリット

デメリット

  • 最低投資額が高い
  • 流動性が低い
  • 情報が少ない

最低投資額が高い

海外のヘッジファンドに投資するには、通常、数千万円から数億円といった非常に高額な最低投資額が必要です。これは、ヘッジファンドがもともと金融機関などの機関投資家や一部の富裕層を対象にしていたためです。

しかし、近年では一般の個人投資家への投資の機会が増えており、その結果、最低投資額が引き下げられているケースも増えています。

流動性が低い

一般的に、ヘッジファンドは出金や解約に制限を設けています。解約可能なタイミングは予め決められており、月に1回や四半期に1回など、特定の期間内にしか解約できないことが多いです。投資家は解約日の相当前までに申請しなければなりません。このため、投資家は資金の返却までの期間が長くなり、その間に収益が悪化するリスクが存在します。

これらの制限は、投資家にとっては不便なものかもしれませんが、ヘッジファンド側にも明確な理由があります。ヘッジファンドは少数の投資家からまとまった資産を集めて、戦略的な運用を行います。もし、経済ニュースなどに影響を受けた投資家たちが一斉に解約を申し出た場合、ファンドの運用資産が急激に減少し、大きな投資成果が期待できなくなる可能性があります。

そのため、資金の急激な流出を防ぐために制限が設けられています。これにより、既存の投資家の利益を守る一方で、ファンドの安定性も確保されているのです。

情報が少ない

有価証券報告書で内容が開示される投資信託とは異なり、ヘッジファンドはその中身が公にされないことが特徴です。

ヘッジファンドは通常、非公開企業で運用されるため、情報開示の義務が少なく、透明性に欠けると評されることがあります。投資対象やその割合などの詳細情報は一般的に開示されず、既存の投資家たちにすら明らかにされることはほとんどありません。

一部のヘッジファンドは投資対象の一部を公開していることもありますが、それでも判断材料は限られています。投資信託と比較すると、ヘッジファンドについての情報は限られており、リスクの高い運用をしているファンドに無自覚に投資してしまう可能性があることに注意が必要です。

ヘッジファンドの選択は非常に重要ですので、投資に関する知識に自信がない場合は、経験豊富な投資家やファイナンシャルアドバイザーに相談することをお勧めします。

また、ヘッジファンドは私募ファンドとして運用されるため、一般の投資家向けにウェブサイトなどで募集を行うことはできません。

一般的には、既存の投資家が新たな投資家を紹介する方法などが一般的ですが、ファンドによっては異なるアプローチを取ることもありますので、注意が必要です。

ヘッジファンドの歴史

ヘッジファンドの誕生には諸説があります。

一つの説によれば、アメリカの社会学者であるアルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズ氏によって1949年に考案されたと言われています。

ジョーンズ氏が立ち上げたファンドには、現在のヘッジファンドと共通する以下の特徴がありました。

  • ロングとショート組み合わせてリスク回避して収益獲得を目指す
  • 運用利益の一定割合を手数料とする成功報酬体系
  • ファンドマネージャーの自己資金を投資して投資家とリスク共有

この時代の投資信託では、一般的には割安な株式を購入し、価格が上昇した際に売却するロングポジションが主流でした。しかし、この一般的な傾向から一線を画す投資戦略を生み出したのが、アルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズ氏です。

ジョーンズ氏は割高な株式を売却するショートポジションを活用する「株式ロングショート」のファンドを設立しました。彼のファンドは非常に好調で、設立から10年後には多くの投資信託を上回るパフォーマンスを示しました。

そして、1966年にアメリカのFORTUNE誌がジョーンズ氏のファンドの成功を取り上げたことで、ヘッジファンドという言葉が広まりました。

この出来事をきっかけに、ヘッジファンドの評判は急上昇し、富裕層の間で大いに注目を集めることとなりました。その結果、ヘッジファンド業界は急成長し、現在では資産運用残高(AUM)が3兆ドルを超える規模となっています。

ヘッジファンドの代表的な投資戦略

一口にヘッジファンドと言っても、ファンドごとに異なる投資戦略が存在します。

以下では、代表的な投資戦略について簡単に紹介しますが、詳細な情報については関連記事をご覧いただくか、専門家に相談することをお勧めします。

株式ヘッジ

株式ヘッジは、その名の通り、株式市場に焦点を当てた投資戦略です。

たとえば、「株式ロングショート戦略」は、株式のロングポジション(買い)とショートポジション(売り)を組み合わせて、収益を追求する投資戦略です。

イベントドリブン

イベントドリブンは、企業の連結、買収、資本再編、倒産、清算など、会社再編に関連するイベントに焦点を当てる投資戦略です。

この戦略の投資対象は、対象企業が発行する株式、債券、およびそれに関連するデリバティブです。

イベントドリブン戦略には、アクティビスト戦略として知られるアプローチも含まれます。アクティビストファンドは、特定の企業の大株主となり、その企業に提言を行い、企業価値の向上を促し、それによるキャピタルゲインを追求するファンドです。

日本では、村上ファンドのようなアクティビストファンドが注目を浴びましたね。

マクロ

マクロ戦略は、トップダウン型のアプローチを用いて、幅広い資産クラスを対象に収益を追求する戦略です。

例えば、グローバルマクロ戦略は、マクロ経済の予測に基づいて、世界各国の通貨、株式、債券などあらゆる市場の方向性に投資します。

この戦略は、個別銘柄の割高・割安を重視する株式ヘッジ戦略とは異なり、市場全体の方向性に賭けることを特徴としています。

そのため、市場が穏やかな場合にはリターンが伸び悩むことがありますが、市場のトレンドが大きく動く場面では高いパフォーマンスを示すことがあります。

レラティブバリュー

レラティブバリュー戦略は、2つ以上の市場や証券間の価格の歪みに焦点を当てた投資戦略です。

この戦略の一例として「債券アービトラージ戦略」が挙げられ、アービトラージ戦略は一般的に「裁定取引」とも呼ばれています。

この戦略を簡単に説明すると、割安な資産を買いながら、同時に割高な資産を売ることで、価格が正常に評価されたときにその差額が利益となる仕組みです。

レラティブバリュー戦略は、ヘッジファンドの中でも比較的リスクが低いとされていますが、その反面、リターンも低めという特徴があります。

マルチストラテジー

マルチストラテジーは、複数のヘッジファンド戦略を一つのファンドの下で組み合わせた戦略です。

異なる戦略の運用を専門とするマネージャーがチームを組み、同じファンドの中で運用とリスク管理を共有します。

複数の戦略に投資することから、リスクの分散効果を享受しつつ、市場の状況に応じて戦略の配分を迅速かつ効果的に変更することが可能です。

これはファンド・オブ・ファンズと似ており、異なるヘッジファンドに投資する際のリスク分散という点で共通していますが、マルチストラテジーは二重の報酬構造が存在しないため、コスト面で優れていると言えます。

投資するならどこ?日本国内でおすすめのヘッジファンドは?

  • 第1位 エアーズシー証券
  • 第2位 ベイビュー・ アセット・マネジメント

ヘッジファンドは私募のため、実績や戦略などが公に開示されていません。

ヘッジファンドで資産運用を検討する際、どのファンドに投資すべきか迷うことがあります。

そこで、私が実際に投資を検討し、問い合わせを行い、収集した情報を元に、個人向けヘッジファンドを比較し、ランキング付けを行いました!

RANK1 エアーズシー証券

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  • 運用会社名:WMQS グローバル・マネジメント LLC
  • 投資戦略:世界株式のロングショート戦略
  • 運用開始:2009年
  • 許認可:第一種・第二種金融商品取引業

エアーズシー証券の特徴

  • 市場下落時でも大きなマイナスを出していない
  • 世界トップレベルのヘッジファンド出身者が運用
  • 証券会社手数料が別で必要
  • 最低投資額10万米ドルと高い

エアーズシー証券では、日本からも投資可能な海外ヘッジファンドを幾つかご紹介しています。

特におすすめしたいのが、「ワールドクオント・ミレニアムファンド」というファンドです。このファンドについて、以下で詳しく解説します。

ワールドクオント・ミレニアムファンドは、過去のリターンが-6.81%から+36.18%と、比較的高い水準にあるヘッジファンドです。このファンドの過去の運用実績については、以下でご覧いただけます。

利回り1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月Total
2009年-6.42%-8.69%+7.16%+11.00%+11.60%-0.82%+9.36%+2.46%+4.38%-2.11%+3.93%+1.71%+36.18%
2010年-4.01%+1.88%+4.64%-0.40%-9.69%-3.28%+7.16%-4.38%+9.92%+4.62%-2.45%+7.40%+9.90%
2011年+2.72%+2.76%+0.19%+4.72%-1.91%-0.02%-3.76%-8.63%-9.46%+12.70%-1.05%+0.61%-3.54%
2012年+6.07%+3.68%+1.63%-1.40%-8.61%+6.63%+2.48%+3.26%+3.04%-2.25%+3.78%+2.29%+21.52%
2013年+6.68%+1.25%+2.19%+2.16%+1.02%-2.66%+6.25%-2.45%+5.55%+3.14%+2.54%+4.44%+34.00%
2014年-1.57%+5.06%+0.87%+2.93%+2.42%+1.86%-1.16%+3.10%-1.62%+1.44%+3.01%-0.18%+17.12%
2015年-0.91%+5.80%-1.15%+3.50%+0.07%-1.80%+3.21%-5.93%-1.44%+7.09%+0.81%-1.23%+7.57%
2016年-6.44%-2.04%+9.14%+4.73%+2.19%-2.48%+5.16%-1.33%+2.42%-1.43%+2.88%+2.05%+14.80%
2017年+1.56%+3.77%+2.62%+1.30%+0.57%+0.03%+4.02%+2.20%+3.04%+1.94%+3.79%+0.88%+28.86%
2018年+7.74%-4.46%+0.64%+0.15%+2.16%-1.29%+3.35%+1.60%+0.11%-9.78%+0.41%-6.46%-6.81%
2019年+9.25%+1.87%-0.18%+4.81%-6.24%+5.67%-1.00%-3.58%+2.73%+2.75%+2.56%+1.90%+21.47%
2020年-1.32%-7.87%-12.36%+12.44%+4.26%+2.84%+4.06%+6.55%-3.28%-4.07%+10.42%+4.38%+13.90%

この投資戦略は、世界の株式市場に焦点を当てたロングショート戦略です。そのため、世界の株式市場との相関が高く、市場が下落する局面ではマイナスのリターンを記録することがあります。

しかし、完全に市場の影響を排除することは難しいものの、比較的安定した運用が可能です。

ワールドクオント・ミレニアムファンドの運営会社は、ミレニアム・マネジメントによって設立されたベンチャー企業です。ミレニアム・マネジメントは世界でもトップクラスのヘッジファンドであり、そのためワールドクオント・ミレニアムファンドの運用チームも非常に優秀な可能性が高いです。

ただし、エアーズシー証券を通じて取引を行う際には、ファンドへの手数料以外に証券会社の手数料が発生することに注意が必要です。また、このファンドの最低投資額は10万米ドルとなっており、一部の投資家にとってはハードルが高く感じるかもしれません。

ベイビュー・ アセット・マネジメント

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  • 運用会社名:ベイビュー・ アセット・マネジメント
  • 投資手法:日本の中小型株式を対象としたロングショート戦略
  • 運用開始:2014年
  • 許認可:第二種金融商品取引業

ベイビュー・ アセット・マネジメントの特徴

  • 市場下落時でも大幅なマイナス運用を回避
  • 利回りから手数料控除が必要
  • 最低投資額1,000万円と高い

ベイビュー・アセット・マネジメントのヘッジファンドは、過去の運用実績において-7.96%から+19.95%という幅広いリターンを記録しており、比較的良好な成績を示しています。

以下に、ベイビュー・アセット・マネジメントの過去の運用実績をご紹介します。

利回り4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月Total
2014年度+1.23%+2.42%+0.49%-0.13%+0.99%+3.85%-2.10%+0.60%+1.14%+8.71%
2015年度+2.54%+3.22%+1.75%+1.03%-1.05%-1.49%+1.38%+2.26%+1.88%-2.18%+2.53%+5.22%+18.23%
2016年度-2.07%+4.80%-1.19%+0.94%-0.12%+3.86%+3.16%+1.35%+1.14%+3.41%+1.58%+1.34%+19.51%
2017年度-0.26%+4.42%+1.27%+2.20%+2.77%+4.03%+2.56%+0.92%+2.42%+4.67%-2.06%-4.20%+19.95%
2018年度-0.71%+0.04%-1.86%+0.08%+0.72%-0.24%-4.11%-2.07%-1.42%+1.27%+1.16%+2.32%-4.89%
2019年度+2.16%-1.33%-1.21%-0.43%-2.08%-0.64%+3.54%+1.82%+2.65%-2.26%-8.16%-1.79%-7.96%
2020年度+6.66%+9.61%+5.79%+1.96%-0.62%+6.26%-1.54%+4.37%

2015年から2017年までの3年間、ベイビュー・アセット・マネジメントのヘッジファンドは、毎年約+20%のリターンを安定して達成しており、その期間は非常に順調でした。しかし、近年のマイナス運用は残念な展開です。

このヘッジファンドは、日本の中小型株式を主要な投資対象としているため、市場全体が下落した場合には一定のマイナス運用を避けるのは難しいようです。さらに、開示される利回りから成功報酬と信託報酬が差し引かれるため、実際の利回りはそれよりも低くなることを考慮する必要があります。この点が、最終的な利益がどれくらいなのかを理解しにくくしています。

最低投資額は1,000万円と、ヘッジファンドの中では比較的低い方に位置しています。しかし、一般の個人投資家にとっては依然として高額に感じることでしょう。

ファンドマネージャーの報酬

多くのヘッジファンドが高額の成功報酬制度を採用していることを説明しました。

この手数料制度は、ヘッジファンドの創設者であるアルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズ氏の時代から存在しています。

投資家が高額な成功報酬制度を受け入れている理由には重要なポイントがあります。

実際に、この成功報酬からヘッジファンドの要であるファンドマネージャーの報酬が支払われているのです。

ただし、ヘッジファンドが役員報酬などを公開することはまれであるため、ファンドマネージャーの報酬はファンドの利益からの概算で推測されます。

Forbes誌によると、2018年のファンドマネージャー報酬ランキングは以下の通りです。

順位ファンドマネージャー報酬額ファンド名
第1位マイケル・プラット20億ドルブルークレスト・キャピタル・マネジメント
第2位ジェームス・シモンズ18億ドルルネッサンス・テクノロジーズ
第3位デビッド・テッパー15億ドルアパルーザ・マネジメント
第4位ケネス・グリフィン14億ドルシタデル
第5位レイ・ダリオ9億ドルブリッジウォーター・アソシエイツ

驚くべき報酬額ですね。

もちろん、このような高額な報酬を獲得できるのはほんのわずかな一部の人々ですが、これがなぜ優秀なトレーダーやファンドマネージャーがヘッジファンド業界に魅力を感じる理由の一つです。

一方で、信託報酬や管理報酬に重点を置く一般的な投資信託などは、運用の規模を拡大させることに焦点を当てることが多いです。これらのファンドは、運用の成功よりも運用資産の増加を優先することが多いです。

ヘッジファンドは、そのパフォーマンスが報酬に直結するため、リターンを積極的に追求する運用が行われているのが特徴です。

アメリカではヘッジファンドの法人格はLLC(≒合同会社)が主流!

ヘッジファンドの法人格(企業の形態)はさまざまですが、発祥の地であるアメリカでは「LLC (Limited Liability Company)」が最も一般的です。

投資家はLLCの有限責任社員(株主)として参加し、管理や投資戦略についての直接的な責務はなく、自身の投資分までの有限の責任を負うことになります。

日本では、2006年にこのLLCをモデルとした「合同会社」という法人格が導入されました。

国内のヘッジファンドの中には、古くから存在するものが株式会社として設立されているものが多いですが、近年では合同会社も増加してきました。

ただし、合同会社は設立が比較的容易であるため、ヘッジファンドを装った詐欺会社も存在することが現実です。

そのようなファンドが適切な許認可を取得しているかどうか、社会的信用力があるかどうかなど、周辺情報を確認した上で、投資を検討することが重要です。

日本国内でヘッジファンドが有名でない理由

日本国内でヘッジファンドがあまり知られていない理由はいくつかありますが、その中でも最も大きな理由の一つは、日本の金融教育の遅れです。

アメリカでは、州による差異はあるものの、ほとんどの州で高校までの教育課程に金融教育が組み込まれています。

この文化により、子供たちに金融教育を受けさせることは当たり前とされ、投資に対する抵抗感が少ない環境が整っています。子供たちは遊びながら金融について学ぶことができる無料の教材も普及しており、金融知識の向上に寄与しています。

一方、日本ではまだまだ余剰資金を定期預金に預けるという考え方が一般的です。

投資に興味を持っても、多くの人々にとって、銀行や証券会社で投資信託を購入することが最も一般的な選択肢となっています。

実際には、ヘッジファンドの方が投資信託に比べて圧倒的に高いリターンをもたらすことがあるにもかかわらず、その存在や仕組みについての知識は限られています。

重要な点として、ヘッジファンドは私募の性質を持っているため、情報は自発的に収集しなければならず、その内容を知ることすら容易ではありません。したがって、ヘッジファンドに関心を持つ人々にとって、情報収集がハードルとなっているのが現状です。

ヘッジファンドのまとめ

ヘッジファンドについて、簡潔でわかりやすくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

ヘッジファンドは、あらゆる投資手法を駆使して、どんな市場環境でも利益を追求することを目指す絶対収益型のファンドです。その特徴はリスクをしっかりとヘッジしながら高いリターンを狙う点にあり、リスクリターンのバランスが非常に優れている資産運用先と言えます。

しかし、ヘッジファンドは私募の性質を持つため、情報はほとんどが非公開です。発祥の地であるアメリカでは、富裕層や機関投資家だけでなく、一般の個人投資家にも広く受け入れられています。一方、日本国内では個人投資家向けのヘッジファンドも存在しますが、その知名度はまだまだ低いようです。

当サイトでは、今後もヘッジファンドや資産運用に関する情報を継続的に提供していきますので、どうぞお楽しみにしてください。

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